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てぃーだブログ › ガイア倶楽部通信 › コーヒーのこと › サンドライド シダモの謎 4

2013年01月07日

サンドライド シダモの謎 4

※ 連載記事の4回目となりますので、前の記事を読まれていない方は
1回目 から読んでいただきますとわかりやすいかと思います。


『サンドライド エチオピア シダモ®』 の紹介ページに散りばめられた、想像力を刺激するいくつかの“謎”について書いてきました。

名探偵の如き謎解きは無理ですが、ベッドから出られないところだけはベッド・ディテクティヴのようである私が、楽しんだ妄想をお分かちすることにしましょう。

エチオピアのスペシャルティ・コーヒーの先鞭を付けたのはイェルガチョフの水洗式(ウォッシュト)です。丁寧に言うと、エチオピアのシダモ地方イェルガチョフ地区で栽培され水洗式加工法で精製されたコーヒー豆です。これは既にブランドとして確立されていますが、高価格で供給量が限られます。

それに対しシダモのその他大勢のコーヒー豆たちは水洗式での精製ではなく乾燥式がほとんどですが、生産量はイェルガチョフ ウォッシュトとは比較にならないボリュームです。

サンドライド シダモの謎 4
シダモにて乾燥中のコーヒー・チェリー (Flickr)


それらの豆から、極端に低いエチオピアの人件費事情を生かした人海戦術で異物や欠点豆を粘り強く除いていけば、乾燥式でも水洗式並みに品質を上げることは可能だと思われます。

一口にイェルガチョフ・ウォッシュトのG1とかG2と言っても、ユニオンやロットによってけっこうできに差があります。人海戦術に加え、果肉を付けたまま乾燥させることが風味に及ぼす影響や天日干しによる運任せの発酵具合がプラスに働いた場合には、イェルガチョフ・ウォッシュトより魅力的な乾燥式のシダモができることもあるでしょう。

豆そのものの品質向上を図ると同時に、「シダモ」「乾燥式」の“イメージ”の方もアップさせるよう誘導し、“ブランド”にまで高めることができれば、水洗式のようなコストをかけず安価に大量のブランド・コーヒー豆を確保することが可能となります。それはたいへんな利益を生み出すことになるでしょう。

まずはネーミング。『サンドライド』というレアな宝石アレキサンドライトを連想させる語句を冠することで、ただの日干し(sunでdryされた)がセレブな高級品のように思えてくるマジック。

サンドライド シダモの謎 4
光で色を変える神秘的な Alexandrite (GNU Free)


次はキャッチ・コピー。「ソフトペッパーにチョコレートやドライダークチェリーの優雅な複雑さと、フローラルの風味をもつコーヒー」というのがそれです。コーヒーの風味や味わいを言葉で表現するのはたいへん難しくて、ソムリエのように豊富な例えを駆使して表現できる人はすごいと感心しますが、「だまされないぞ」と言い聞かせ深呼吸してこのコピーを見ると、この場合 “何とかわかりやすく伝えよう” ではなく “ホホホッ魔法をかけてしまいましょう” という姿勢なのが見えてきませんか。

そうして“謎”として取り上げたように、価格を“高め”ではなく“異常な高さ”に設定し「他とは比較の対象にならない別格」と思い込ませつつ、計算された商品説明文で印象操作してプレミア品イメージを決定的にする・・・。こんな絵を描いてみるのも、あながち的外れなことではないのかもしれません。

カフェ

最近以前はなかったG1とかG2のシダモ・ナチュラル(乾燥式)がやけに目に付くのですが、設備投資なしで雇用を創出し輸出商品の価値を高めることができるということで、エチオピア当局の思惑も絡んだ見えない力が働いているなんてことはないのでしょうか? K-POPや韓国料理みたいに。

すっかり妄想を膨らませてしまいましたが、それにしても実に興味深いですね(笑)

※エチオピアの地名表記はスターバックス ジャパンの表記を用いました


サンドライド シダモの謎 4


サンドライド シダモの謎 1


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Posted by ぎんばいか at 22:00 │コーヒーのこと