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てぃーだブログ › ガイア倶楽部通信 › 器具や食器のこと › アニメ 『へうげもの』 と織部焼

2012年10月30日

アニメ 『へうげもの』 と織部焼

お茶やコーヒーを楽しむのに、【器】という一面を見逃すことはできません。特に陶磁器については、私自身あまり詳しくないものの関心はあるので、機会があれば見に行くようにしていました。

そんな焼き物好きで、しかも歴史好きでもある私にとって、現在NHK地上波で再放映されている『へうげもの』は非常に興味深く、また勉強になるアニメでした。

この作品の主人公は武将であり茶人であった古田織部で、彼の指導のもと美濃の陶工によって作られたのが織部焼です。『へうげもの』は、この織部焼ひいては桃山文化の優れた解説、批評となっていると思います。

アニメ 『へうげもの』 と織部焼
織部 蓋物, 東京国立博物館 東京 (GNU Free)


織部焼というと教科書的な情報のほかに、私がこれまで見たなかでは、緑釉と斬新な形・文様の印象が強くありました。また信長が論功行賞に茶道具の名器や茶会を開く許可を与えたことはよく知られていますし、滝川一益が武田攻めの褒賞に上野一国、信濃の二郡を賜りながらそれより茶器を欲しがったというのも歴史マニアなら誰でも知っている逸話でしょう。

こうした器がらみの既に得ている断片的な情報に加え、織豊時代の経済と産業に関する知識、戦国武将についてのうんちく等々・・・『へうげもの』では、さまざまな自分の手持ちのピースと新たに手にしたピースとが、大きなジグソーパズルにはめ込まれ、これまで見たことのなかった風景を見せてくれます。デフォルメして描かれる古田織部のキャラや虚実取り混ぜたエピソードと共に、中世から近世への過渡期にあって旧体制の破壊者である信長からそれを継承した秀吉へと至る社会の変容とその文化的背景が描かれ、自分のこれまでの知識や印象が再構成され拡張される面白さがあります。

描き尽くされた観のある戦国物を非常に新鮮な斬り口で見せてくれるので、少々わざとらしく感じられる演出もまあ許せてしまいます。また声優さんのキャスティングや、織部だけでなく、利休、細川忠興等のキャラクター・デザインも巧いなあと思いますし、個人的には好みの武将である蒲生氏郷、高山右近らが登場するのもうれしい。

とは言え、いずれかの登場人物に思い入れるということはなく、「へうげた」知の乱舞を楽しむ作品になっています。そういう意味では-実際に読んだわけではありませんが-たぶんアニメを見るより原作を読んだ方が良いのかもしれませんね。

あと、まぁ別に大したことではないんですが、アニメのEDは斉藤由貴が担当してるというのも◎です。

 ◆NHKアニメワールド 「へうげもの」
http://www9.nhk.or.jp/anime/hyouge/

  総合テレビにて毎週月曜日(日曜深夜)午前1時10分から放送中



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↑表紙の器にも注目



アニメ 『へうげもの』 と織部焼



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Posted by ぎんばいか at 22:09 │器具や食器のこと